怠慢な失業者への保険金給付に対して、政府はどう運営していけばいいか?

四代目シャイニング丸の内です。

世の中には、怠慢な失業者と本気でやり直そうとしている失業者がいて、その判別は難しいものです。

そんなとき、政府はどう対応していけばいいのでしょうか?

「怠慢」の反省なくして「安心」なしそうなれば、いかにして政府が保険を運営すればよいか?

 

まず大原則を述べれば、怠慢な加入者には保険金を給付しないことである。これは、大原則であって、どこまで徹底できるかは実務上詰めなければならない重要な問題である。先の失業者の例で言えば、再就職する努力を怠る人をどうやって区別すればよいか、という問題である。

実際には求職活動をしていないのに、口先で「求職活動をしています」とさえ言えば、努力しているとしてよいのだろうか。それでは「怠慢」を排除できない。さりとて、失業手当を給付するか否かを認定する職員が、その失業者に密着して求職活動を真面目にしているかを見極めるのも、失業者は何百万人といるからナンセンスである。

こうした状況を重く見て、厚生労働省は、怠慢な失業者には失業手当を支給しない方向で具体的な措置を講じようとしている。政府が運営している保険は、失業保険だけではない。年金保険や医療保険、介護保険など、まだまだある。こうした保険一つ一つで、怠慢な加入者には保険金を給付しないという大原則をどこまで徹底できるかが、今後の大きな課題である。

原則論で言えば、まずは保険の加入者に「怠慢が保険財政を破綻に追い込む」ことをきちんと説得することである。政府が運営する保険なら、保険の加入者は大多数の国民ということになる。大多数の国民に、「怠慢が(保険を破綻させ)安心を奪う」という危機感を認識させられれば、その認識を持った国民の中から自発的に怠慢をやめようとするものが出てくるだろう。

しかし、経済学者の著者としては、そうした道徳論に訴えるだけでは不十分だと考える。経済学者は、とかく人々は経済的利益にさといという見方に立ちがちである。事実、そういう人ばかりではないものの、そういう人もいることは間違いない。

だから、道徳論に訴えても納得しない人もいる。そうなれば、怠慢をなくす規律付けが重要になる。より具体的に言えば、失業保険を不正に受け取ったものは懲役一〇年、とか厳しい懲罰(経済的損失)を与えて怠慢を断固として許さないとした姿勢を、政府が示すことである。怠慢な行為は大きな経済的損失を生む、とすれば、経済的利益にさとい人でも怠慢をなくそうとする規律付けが働く